著書『教えないスキル』を読みました。
この本は、いかにして人を主体的に学ばせる環境を作るかという視点から、教育や指導の新しい在り方を提案する内容です。
特に、答えを教えずに「問い」を投げかけ、考えさせることで相手の自主性や創造力を引き出す手法に焦点を当てています。
ラグビースクールのコーチとして日々子どもたちと接する中で、これらの考え方は非常に役立つと感じました。
本書のポイントを簡単にまとめ、その上でどのように指導に活かすかを考えてみたいと思います。
『教えないスキル』の要約
1.答えを教えない
教える側がすぐに答えを提供するのではなく、子どもたち自身に考えさせることが重要です。これにより、相手が自分の頭で考える力を育みます。
2.問いかけの重要性
「なぜそう思うの?」「どうすればうまくいくと思う?」といった質問を投げかけ、相手の思考を促します。このプロセスが学びを深める鍵になります。
3.学びの環境を作る
失敗を恐れず挑戦できる環境を整えることが重要です。失敗そのものを成長の一部と捉える視点を持たせることで、より積極的に行動するようになります。
4.観察とフィードバック
細かく観察し、相手の行動を認めるフィードバックを行うことで、モチベーションを高めます。具体的で肯定的なコメントが効果的です。
ラグビースクールでの具体的な活用方法
ラグビーは、個々のスキルだけでなく、チームとしての連携が重要なスポーツです。そのため、以下のような形で『教えないスキル』のエッセンスを取り入れられると考えます。
1.問いかけを中心にした指導
例えば、試合中の判断ミスやプレーの選択について話し合う際に、「どうしてその選択をしたの?」と問いかけます。子どもたちが答えを探す過程で、次回への学びが深まります。
2.自主性を尊重する練習メニュー
すべてを指示通りに進めるのではなく、子どもたち自身に練習メニューを考えさせたり、チーム内で役割分担を決めさせたりします。この過程でリーダーシップや協調性が育まれます。
3.失敗を許容する文化づくり
タックルの練習やパスのミスがあったとしても、それを「なぜうまくいかなかったのか」を考える機会にします。「失敗してもいい」という雰囲気を作ることで、子どもたちはプレッシャーなく挑戦できます。
4.フィードバックの質を高める
単に「よくできた」ではなく、「今のタックルはタイミングが良かったね」「あのプレーでしっかり仲間を見ていたね」と具体的なフィードバックを行います。これにより、子どもたちは自分の強みを自覚しやすくなります。
まとめ
『教えないスキル』が提唱する指導法は、ラグビースクールにおける指導に大きなヒントを与えてくれます。
特に、自主性を尊重し、子どもたち自身の考える力を引き出すことで、単に技術を教えるだけでなく、人生全般に役立つスキルを育てることができます。
私たちコーチもまた、日々の指導を通じて成長していけるよう、この考え方を意識的に取り入れていきたいと思います。
ラグビースクールの現場で実践する中で、新たな発見や気づきがあれば、また共有したいと思います。
Comentários